「キリマンジャロ」略して「キリマン」を知ればコーヒー豆の違った一面が見えてくる

キリマンジャロを知ってもっとコーヒーを理解する

代官山マルシェでお馴染エモ珈琲さんに「コーヒー豆をお店で買う時の基礎知識」に続いて、コーヒー豆の代名詞「キリマンジャロ」を紹介してもらいました。

カフェや喫茶店、コーヒー豆屋さんに行くとコーヒーのメニューが店によって違って、迷ってしまうことありませんか?アメリカンやエスプレッソはコーヒーの淹れ方の違いです。ブラジルやコロンビア等、国が書いてあると生産地のことだと何となく判ると思いますが、それらと並列に並ぶキリマンジャロやモカ?これは場所なの?

更に、輪をかけてややこしくしているのが、お店のオリジナルネーミングやブレンド。ちょっと混乱してしまいますね。呼び方が定着した経緯は、コーヒー豆によってそれぞれ違うので、背景を学ぶのもコーヒー豆の新しい一面を知るきっかけになり楽しいかもしれません。

キリマンジャロコーヒー

タンザニア産のコーヒー豆は全部キリマンジャロ?

まず、キリマンジャロとはタンザニア北部にある世界的に有名な山で、神の家とも呼ばれ富士山の様に現地の人に愛されています。その麓の標高1000~2000m付近では高品質なコーヒーが生産されることで有名です。

Sunrise on mount Kilimanjaro

実はこの山で生産されるコーヒー豆だけでなく、タンザニア産の高級コーヒー豆のほぼ全てがキリマンジャロと名乗れます。(※)これは世界、特に日本に向けたイメージ戦略でもありました。
なぜなら、1950年代に日本ではヘミングウェイの小説「キリマンジャロの雪」の映画化を機に、タンザニアのコーヒーと言えばキリマンジャロのイメージが定着していたため販売しやすかった背景があるからです。

(※)高級豆でも特殊な精製方法を行う場合等、キリマンジャロと名乗れないわずかな例外もあります。また、タンザニアでは安価なインスタント向けのコーヒーも全体の30%ほど作ってます。

日本人はキリマンジャロコーヒーが大好き

キリマン

現在日本は、タンザニアで生産されるコーヒー豆の1/3近くを輸入しています。今は農産物も細かい地域や生産者の情報がブランドイメージを向上させるので、タンザニアの○○地区産、○○農園産と表記される事も多くなりましたが、アフリカコーヒーといえば雄大なキリマンジャロ!のイメージを大切にされる愛好家が沢山います。

もちろんキリマンジャロの麓で生産される美味しいコーヒーも日本に数多く入って来ています。また、キリマンジャロから遠く離れた地域も年々注目され、有名な地区や農園の豆は個性も強く魅力的です。凝縮された果実の風味豊かなコーヒーはきっと虜になりますよ!