食物繊維ってなに?

食物繊維は健康によい成分として知られている。だが、かつては栄養的な価値はないとされていた。その後、すぐれた機能が見つかったにもかかわらず、日本人の食物繊維の摂取量は大きく減っているます。

食物繊維は、エネルギー源としては役に立たない。しかし、体内の生理作用において重要な役割を担い、現代人の食生活には欠くことができない重要な栄養素であると認められるようになった。

 かつて、こんにゃくや寒天を使ったダイエットがブームになったが、どちらも主成分は食物繊維だ。それらを食べると満腹感が得られるにもかかわらず、消化されにくいためエネルギーはほとんどない。飽食の現代においては、エネルギーにならないことがかえって役に立っている。

 食物繊維の特徴は、保水性がいいことだ。消化管の中で、食物繊維は水を含んで、膨らみや粘性が増す。そのため、胃の中にとどまる時間が長くなり、食べすぎを防ぐ。胃から小腸への動きもゆっくりとなるので、血糖値が急激に上昇するのを抑えて、糖尿病の予防に役立つ。大腸では便の量が増え、ビフィズス菌などの腸内細菌の割合も増やすため、便秘を改善すると言われている。

 また、小腸で吸収されずに大腸に入った食物繊維は腸内細菌による発酵を受け、脂肪酸やメタンガスなどを生成する。生成物の一部はエネルギー源としても利用されている。

更に女性に多い便秘にも対応する。口から摂取した食べ物は大腸で水分が抜かれ、便として排泄されるが、この大腸の働きをサポートするのが、大腸にいる腸内細菌が作る酢酸や酪酸なのだ。つまり、腸内菌の数が多く、活性が高まらなければ便秘は起こりにくいというわけです。
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