サポーターの皆様へ 有難豚近況報告 (2013年11月)

設備等の復興状況について

宮城は紅葉の季節となり、冬支度をする狐や狸を組合の農場で時々見かけます。先日、有難豚の子豚がまた産まれましたのでご報告致します。設備等の復興状況ですが、なかなか明るいご報告ができずに心苦しく思っております。震災の激震で組合の畜舎設備が破損し、未だに豚たちにとって安心して使用できない部分も多く、思うように飼育頭数を増やす事が出来ずにおります。震災時に助けて頂いた母豚たちも、3年目を迎えて徐々に歳をとってきています。

高橋希望

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そんな中でも少しづつですが、元気な有難豚の赤ちゃんは産まれています。産まれてくる子豚と対面する度に、古くても壊れていても、せめて今は人の手の入った畜舎にしようと思います。

黒豚86(ハロー)♀が残した子豚が、お母さんになりました



以前ご報告致しましたが、震災の津波で1頭だけ、有難豚の黒豚♀が助かりました。最後の黒豚だった為、イヤータッグの「青86」から「ハロー」と呼んで可愛がっていました。昨年の秋、ハローが無事に子豚を出産しましたが、産後の経過が思わしくなく、数ヶ月間練り餌を与える等を行いましたが、年明けの冬に静かに天に召されました。生き物ですので、悔いのないような飼育を行いたいと思います。

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そこでハローが残した3頭の娘ブー♀たちを、私の方で管理させて頂く事にしました。この3頭の娘豚から、復興状況を少しでも身近にお届けできたらと思います。わずかな母豚候補ですが、とても可愛い娘ブー♀たちの紹介をします。尚、ハローと掛け合わせたのは、宮城県が八年かけて開発した血統の良い霜降り茶豚(スーパーD)♂です。

「黒娘ブー♀」・・・母親のハローによく似た黒毛の豚です。多少の事では動じない安定した性格です。
「ブチ娘ブー♀」・・三姉妹の中で最も気が強く丈夫な豚です。黒と茶の斑点模様です。
「ハナ白ブー♀」・・薄茶で鼻筋と両足が白く気が弱くおっとりとした性格です。声をかけるとアクビをするのがクセです。

そしてこの秋、10月15日にハナ白♀が、念願の可愛い赤ちゃんを12頭も出産しました。父親は純粋黒豚♂で、手のひらに乗る程の約1キロ程の小さな子豚たちです。おかげさまで皆いっぱいです。黒豚と茶豚の血統なので、外見に特徴があります。初産で沢山の子豚を産みましたので、よく頑張ったねと農家仲間の大好きな果物をあげました。

水木さんのりんごを与えています

このりんごは震災直後に青森からりんごジュースの搾りかすを運んで来て下さった、あっぷりんご園の水木さんのりんごです。優しいご縁といのちの輪が続いていく事に深く感謝し、皆様にご恩返しができますよう努力して参ります。

食事会をはじめています



また、今年から「有難豚を食べる会」を徐々にスタートしております。震災復興もなかなか上手くいかず、また少ない家族ですので思う様に、準備や告知ができず申し訳なく思っております。現在、有難豚を使って下さる飲食店様を少しずつ探しております。
開催を含め、もしご検討頂ける飲食店様がいらっしゃいましたら、ご一報頂けますと幸いです。

そろそろ寒さが厳しくなって参りました。落ち込む事もありますが、こうして見守って頂けますことを、心からありがたく心強く感じております。早くみなさまに明るいお返しができるように、諦めずにがんばります。皆様もお身体大事に、どうぞ元気にお過ごし下さい。お一人おひとりに、深く感謝申し上げます。

有難豚 高橋希望