知っていると通?食材の旬を感じる言葉「はしり」と「なごり」

食材の旬を感じる言葉「はしり」と「なごり」を聞いたことがありますか?

食材の旬を感じる言葉。ちょっとした時にすっと出てくればおっと思われるもの。
「はしり」とはその季節に初めて出回るもの、いわゆる初物のことです。その反対で、今年もシーズンが終わりだなという時期を「なごり」といいます。その間の出盛りのものを「旬」といいます。旬の走りと旬の名残から「はしり」と「なごり」が生まれたと考えられます。

初物を食べると寿命が延びる?

「初もの七五日」といわれるように、その年の初物を食べると75日寿命が延びて長生きできるという諺もあります。その由来のひとつが初物には生まれたての生気がみなぎっているからと言われて来ました。生気がみなぎる初物を食べることで、新しい生命力が得られると考えたのです。江戸時代には、物価の高騰を避けるために初鰹など、素材別に販売期間を細かく定めたこともあったそうです。こうして日本人の「はしり」への思い入れは徐々に形成されていったのかもしれません。

食材の旬を3つに分けたのは日本人ならではの発想

ただ中々手に入らない今では価格が高くなる「はしり」の食材を競って出荷するために、一番美味しいとされる「旬」がいつなのかわからなくなってしまっているのが微妙なところです。食材は、「旬」が最もパワーのあふれる全盛期で、栄養価値の高いときです。一番美味しい時期でもあります。旬を大事にすることは理にかなっているのです。ただでさえ短い旬の期間をひとくくりにしないのが、日本人のおもしろいところですね。四季を映し出す日本料理ならではの言葉です。